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「葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり」とは時代を超えよう。畏れ多いものの、歌人の折口信夫とその養子の折口春洋の墓が門弟の岡野弘彦の歌碑の裏にある。その硫黄島の激戦に斃れた、愛する子を悼んでの思いはどうあっても心を打つ。それなりに両者の関係については承知しているが、しかし実際訪れてみれば、このおそらく旧姓藤井一族の墓所の、その起伏を伴った小高い緑苔の丘に墓石が諸所に自然に配置されながらも、またあたかも1つの宇宙のように姿になっている様にはまたどう表現したらいいものかと言葉が出てこないものがある。