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遠野の町外れには、キツネの関所が何箇所かある。ここもその一つである「キツネの関所」である。棟上げの祝の日町へ帰って行く途中、八幡山を通る時に、酔っていたものだからこんなことを言った。「昔からここには、りこうな狐がいるということだが、本当にいるなら鳴いて聴かせろざい。もしいるならこの魚をやるに」と言って、祝の肴を振りまわした。するとすぐ路傍の林の中で、じゃぐえん、じゃぐえんと狐が三声鳴いた。しかし男はだがこの肴はやらぬから、お前たちの腕で俺から取って見ろと言い棄てて通り過ぎた。