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駅を指し示す物(駅舎)がない。中部電力の火力発電所が目につく。駅を出て尾鷲寄りに歩けば弁才島に出会す。尾鷲〜熊野市(昔は紀伊木本と名乗っていた)は東西の区間を繋ぐ為にトンネル区間が多くなった。本来ならほぼ一直線にするところそれぞれの地区を辿って全線開通させたのだろう。
山が迫る無人駅で、線路を渡ってホームに昇るとあとは大曾根浦の景色を眺めるのみである。夕暮れには音もなく、雲間から射す落暉にまばゆい山嶺、海湾の景色は愛おしい。カラスが三々五々、上空を海から山へと帰っていくのは童謡のとおりであり、そんなことにも感動してしまう。あとは列車が到着するのをぽつんと待つばかりであるが、前日は台風で全線不通だったため、そして列車の明かりが遠く向こうに見えたときの安堵にはこの上ないものがある。