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今のお堂自身はともかく、東大寺のお水取りで有名な二月堂の前に、この笠置の正月堂がある。それだけ由緒あるお寺の証となっている。もちろん笠置と東大寺とは縁続きである。
東大寺にない一月堂が笠置山寺にある正月堂と言われ、ここではじめてお水取りが執り行われたという。東大寺を開山し、初代別当・良弁は正月堂近くの千手窟に籠り、千手の秘法によって東大寺造営のための建築資材を調達したという伝えもあり、創成期の笠置山寺は、東大寺の奥の院的なお寺だったのかもしれない。懸崖造りのお堂で、床板の隙間から下が見える。